産後の冷え性によって生じる症状
冷え性はさまざまなカラダの不調をもたらすとされています。産後の冷え性がどんな症状を招くのか、主なものを挙げてみましょう。肩こりや頭痛、腰痛
カラダが冷えると血流やリンパ液の流れが悪くなり、老廃物を排出できなくなります。そのために現れる症状の代表が肩こり、頭痛、腰痛だとされています。不眠
冬場など手や足先が冷たくなってどうも落ち着かず、眠りにくくなってしまった経験はないでしょうか。もともと人が眠りにつくには脳の温度を下げる必要があり、そのためにカラダから熱を放出して体内の深部体温を下げるようになっています。ところが手足が冷たいと手や足の血管から熱が放出されにくく、結果、脳の温度も下がらずになかなか寝付けなくなってしまうのです。母乳の分泌量の低下
冷え性は母乳の分泌量にも影響を及ぼすことがあります。カラダが冷えて血行不良になると、血液を材料として作られる母乳の出が悪くなってしまう可能性があるのです。母乳の出が悪いという悩みを抱えている人は、産後、冷え性になっていないか確認してみることをおすすめします。太りやすくなる
冷え性は血行不良とともに代謝の低下も招きます。代謝が悪くなると食べたものがエネルギーとして消費されず、脂肪となってカラダの中に蓄えられてしまうこともあります。また、冷えることで血行が悪くなれば老廃物がスムーズに排出されず、太ももやふくらはぎなどの下半身がむくみやすくなります。産後、洋梨体型(下半身太り)になってしまうのも、冷え性からくる皮下脂肪の増加やむくみが原因のひとつだとされています。
冷え性の原因
では、そもそもなぜ産後は冷え性になりやすいのでしょうか。カラダが冷える原因も探ってみましょう。骨盤の歪み
妊娠中は骨盤をゆるくするホルモンが分泌され、出産時には大きく骨盤が開きます。産後は開いた骨盤がもとの状態に戻ろうとしますが、このとき骨盤ケアを怠ると骨盤が歪んだままになってしまうことがあります。この骨盤の歪みは胃腸などの内臓の働きを低下させ、血液の流れも滞らせることがあり、骨盤の歪みが冷え性の原因になると言われるのはこのためです。ホルモンバランスの乱れ
産後、ホルモンバランスが乱れやすくなることも冷え性に影響すると言われています。ホルモンバランスの乱れが自律神経の不調を招くことがあり、自律神経は内臓の活動をコントロールし、血液の循環に関与しています。自律神経の乱れが血行不良を引き起こし、冷えにつながる可能性があるのです。栄養不足
栄養不足は代謝の低下を招き、やはりカラダの冷えにつながります。産後は食欲が落ちることもあるため、必要な栄養が摂れなくなっていることもあります。睡眠不足
冷えが睡眠不足を招くのと同時に、睡眠不足が冷えの原因になることもあります。良質な睡眠がとれていないと血の巡りが悪くなり、カラダが冷えるという悪循環を呼んでしまいます。食べ過ぎ
食べ過ぎが冷え性につながるというのは意外かもしれません。胃が処理しきれないほど食べると消化器官に血液が集まり、本来カラダを温めるために使われる熱量が集中してしまいます。また、生野菜などを食べるとカラダを冷やしてしまうこともあります。冷たい飲み物をよく飲む
冷たい食べ物だけでなく、冷たい飲み物もストレートにカラダを冷やしてしまいます。冷房が効き過ぎの場所にずっといる
夏、冷房が効き過ぎていると、秋冬よりもカラダが冷えてしまうことがあります。運動量の減少による筋力の低下
産後はカラダを休ませることが先決なので、どうしても運動不足に陥りがちです。そのため筋力が低下し、代謝が落ちてカラダが冷えやすくなります。ストレス
ストレスも自律神経を乱し、血流を悪くして冷えを招きます。冷え性をケアする方法
原因が分かれば冷え性をケアする方法のヒントもつかめるはずです。冷え性に悩まされる前に、下記の方法を試してみてはいかがでしょうか。骨盤矯正の施術を受ける
産後、必要に応じて骨盤矯正の施術を受け、骨盤を本来あるべき姿と位置に戻すことが重要です。骨盤の歪みを矯正することで内臓器官が正常に働き出し、冷え性をケアできる可能性があります。カラダを温める
入浴や半身浴でカラダを温めましょう。秋冬はしっかりと重ね着をすることも大事です。インナーウエアを温かいものにしたり、腹巻きなどを活用したりするのも良いでしょう。良質な睡眠をとる
育児をしながら睡眠をしっかりとるのは難しい面もありますが、パートナーや家族の協力を得て、なるべく良質な睡眠をとるよう心掛けてください。栄養をとるなど食生活に気をつける
産後は育児に追われて食生活が不規則になりがちです。なるべく栄養バランスの取れた食生活を心掛けましょう。たとえば、うどんなどの麺類には温野菜をトッピングしたり、食後のデザートとしてフルーツを食べたりなどがおすすめです。また、冷たい食べ物はカラダを冷やしてしまいますので、なるべく暖かいものを摂るようにしてください。適度な運動をする
産後すぐは激しい運動はできませんが、まずはウォーキングなど軽い運動から始めていきましょう。適度な運動によって血流が促され、カラダの働きが活性化していくことが期待できます。マッサージをする
手足など冷えやすい箇所のマッサージも冷え性のケアとしておすすめです。入浴中や入浴後にマッサージをする習慣をつけましょう。ストレッチをする
短い時間で手軽にできるストレッチを実践してみましょう。入浴後や夜、寝る前にストレッチをするのがおすすめです。最後に、冷え性のケアに役立つストレッチを紹介します。
お尻まわりのストレッチ
お腹を引き締めるためにお尻のストレッチをすると、筋肉の柔軟性が高まり、血行が促進されるとともに、新陳代謝が活性化されます。骨盤の形も整い、ぽっこりお腹の解消などにつながります。ストレッチの方法は以下の通りです。
- 仰向けで膝を90度に曲げ、反対の足首を大腿部にのせます。
- 脚の間に手を通し90度に曲げている方の脚裏を両手で手前に引き上げて30秒間キープします。足首を乗せた方のお尻に効果的です。反対側も同様に行います。

産後の冷えを放置していると自分のカラダが不調になるだけではありません。育児に良くない影響が及ぶこともあります。赤ちゃんのためにも、まずは冷え性をしっかりとケアして、カラダを健康的に保つことを考えましょう。