骨盤後傾とは?
骨盤後傾とは、骨盤が後ろに傾いている状態のことです。骨盤後傾の状態にあり、立っている場合には、本人は背筋を伸ばして地面に対して垂直に立っているつもりでも、横から見るとお尻の位置がやや後方下に落ち、膝が微妙に曲がり、背中も丸まって猫背に近い姿勢になっています。椅子に座っている場合も、気づくと椅子に浅く座る後傾姿勢になってしまいます。最近の若い人の中には骨盤が後傾している人が増えているとも言われています。
骨盤後傾のチェック方法
骨盤後傾のチェック方法は以下の通りです。1.壁の5cmくらい前に立つ。
2.頭、背中、おしりを壁にくっつける。
3.壁と腰の隙間に手を入れてみる。
4.手の平が通れば正常、こぶしが通れば骨盤後傾。

骨盤後傾の状態をほうっておくとどうなるの?
骨盤後傾を放置していると将来、次のような問題が起きてくるおそれがあると言われています。あくまで可能性ですが、リスクがあるということは自覚しておいた方が良いでしょう。猫背になる
背中が丸まった状態が進行していくと、やがて猫背が定着してしまう可能性があります。背中が大きく丸まっていると、いつもどこか疲れているように見えてしまったり、老けて見えたりと見た目にも美しくありません。膝痛、腰痛、首や肩のこりを招く
バランスのとれた正しい姿勢がキープできないことから、膝痛や腰痛が誘発され、首や肩のこりにつながることも考えられます。すでにこれらの症状に覚えがあるという人は、もしかすると骨盤後傾が原因になっているかもしれません。便秘などカラダの不調を招く
骨盤後傾の状態だと、内臓が圧迫されることでカラダに悪い影響が出てくる可能性があります。大腸や直腸がつぶされるような恰好になり、排便に支障をきたす、つまり便秘の原因になってしまうというケースも考えられるのです。骨盤後傾の原因
では、なぜ骨盤が後ろに傾いてしまうのでしょうか。骨盤後傾の主な原因として考えられているのは、筋力の低下・不足です。お尻の筋肉である大臀筋や、太ももの後ろの筋肉であるハムストリングスなど、下半身の後ろ側にある筋肉の筋力が低下し、伸縮性を失うと、骨盤が変形して後傾してしまうことがあるのです。また、腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群である腸腰筋の筋力低下も骨盤後傾の原因になると言われています。
骨盤後傾をケアする方法
上記の原因を前提として、骨盤後傾をケアするには次のようなアプローチが考えられます。筋トレをする
大臀筋、ハムストリングスなどを鍛える筋トレをしてしなやかな筋肉を作ることで、骨盤の傾きを抑制できる可能性があります。腸腰筋はインナーマッスルなので、これを鍛えるには体幹トレーニングが役立つでしょう。ストレッチをする
骨盤を正しい位置に導くためのストレッチも助けになるでしょう。自宅でできる簡単なストレッチ・トレーニング方法についてはこのあとにご紹介します。これらの方法は数回行ったからと言ってすぐに骨盤後傾が治るわけではありませんが、習慣的に実践することで徐々に骨盤の位置が修正されていくことが期待できます。骨盤矯正の施術を受ける
骨盤の後傾をケアしたい場合は、専門家による骨盤矯正の施術を受けるという方法もあります。カラダの状態に合わせて適切な施術を定期的に受けることをおすすめします。また、骨盤矯正とあわせて、筋トレやストレッチを行えばさらに効果が期待できます。
骨盤後傾をケアするストレッチ・トレーニング
最後に、骨盤後傾をケアするためのストレッチ・トレーニングを紹介します。今はそれほど後傾が起きていなくても、これから加齢などによって骨盤後傾が進行していきそうな場合にも、防止につながるストレッチ・トレーニングとして役立つはずです。仰向けで行う簡単ストレッチ1
1.仰向けで寝た状態で脚を90度に曲げます。

2.脚をくっつけた状態で左右交互に倒します。これを1~3分の間繰り返してください。

仰向けで行う簡単ストレッチ2
1.仰向けで寝た状態で脚を90度に曲げます。2.その状態でお尻を上げ30秒間キープします。

道具を使ったストレッチ
1.5~20cmぐらいの段差になるものを用意します。2.階段を上るのと同じように、上り下りします。
これを繰り返し行います。




骨盤後傾が気になる方は、まずは骨盤後傾かどうかのチェックをやってみてください。その結果、骨盤後傾が疑われる場合は適切なケアをしていきましょう。
骨盤後傾をケアする際は専門家に相談して、どういったものを重点的に行なっていけば良いのかなど、アドバイスを受けることをおすすめします。