今回は、この「季節性アレルギーこり」について、その原因や花粉症による肩こりの対処法を詳しく解説します。
「季節性アレルギーこり」とは? 花粉症と肩こりの関係
春先から初夏にかけて、日本人の多くが悩む「花粉症」。冬の乾燥した空気によって荒れてしまった喉や鼻の粘膜をスギやヒノキ、イネ科の植物の花粉などのアレルギー物質が刺激して起こるもので、激しい目の痒みやくしゃみ、鼻水、せきなどの症状がでて、外出もままならないというケースも少なくありません。そして、この花粉症のシーズンでくしゃみやせき以外に気をつけたいのが「季節性アレルギーこり」です。アレルギー疾患が原因のくしゃみやせきによって、肩こりや首こり、背中の痛みや倦怠感を引き起こします。
花粉症の代表的なアレルギー源であるスギやヒノキの花粉は、2月ごろから飛散しはじめて5月ごろまでにピークを迎えますが、この時期にはくしゃみやせきなどの花粉症対策だけでなく、季節性アレルギーこりについてもしっかりと備えておくことが大切でしょう。
季節性アレルギーこりの原因
花粉症の時期になると首こりや肩こり、背中の痛みといった症状が現れてしまう理由は、くしゃみやせきをする時の姿勢にあります。くしゃみやせきをする時には、自分で意識をしていなくても全身に力が入り、自然と前傾姿勢になってしまいます。そのため、首や肩、背中の筋肉に負荷がかかり、こりや痛みといった症状を引き起こしてしまうのです。
花粉症の時期には頻繁にくしゃみやせきが出るため、知らず知らずのうちに前傾姿勢を維持してしまいがちです。その結果、肋骨周辺の筋肉である「肋間筋」を使わなくなって衰えてしまいます。この肋間筋というのは、肺を広げて酸素を取り込むために必要な筋肉で、肋間筋が衰えてしまうと体内に取り込む酸素量の減少につながり、こりの原因となる血行不良を加速させてしまうことがあるのです。
花粉症による肩こりを予防する方法
花粉症は薬で症状を和らげることはできますが、アレルギー症状そのものを取り除くことは難しいといえます。毎年花粉症の時期に肩こりに悩まされている人は、予防する方法を知って、生活に取り入れることをおすすめします。その方法を詳しくみていきましょう。深呼吸する
花粉症が原因のくしゃみやせきが続くと、全身に力が入った状態になってしまうため、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっています。その結果、筋肉に運ばれる酸素量が減り、こりがひどくなってしまうこともあります。深くしっかりと呼吸をすることを意識して、体内に酸素をたっぷりと取り込み、血行改善を目指しましょう。深呼吸は2秒かけて鼻から息を吸い込み、6秒かけて口をすぼめて息を細く長く吐き出すと良いとされています。この簡単な深呼吸を10回ほど繰り返すことで、体内に酸素を取り込めるだけでなく、副交感神経が働いてカラダをリラックスさせることができます。
水分を摂る
花粉症による肩こりや首こり、背中のこりを予防するためには、酸素をしっかりと体内に取り込むだけでなく、十分な水分補給も大切です。水分を補給することで、血流を促すだけでなく、鼻の粘膜やのどの粘膜を乾燥から守ることもできます。ストレッチをする
花粉症の時期はくしゃみやせきなどによって全身に力が入った状態が続いてしまいます。1日の終わりには力を抜いてカラダをリラックスさせてあげることが大切でしょう。おすすめは、入浴後や就寝前のストレッチでケアすることです。筋肉をほぐすだけでなく、血行促進にも効果があるため、肩こりや首こり、背中のこりなどのつらい症状を和らげることができます。季節性アレルギーこり対策に取り入れたいストレッチ
季節性アレルギーこり対策におすすめの、自宅で簡単にできるストレッチを紹介します。不調を感じている部位を意識して取り組んでみましょう。肩のストレッチ
1.右腕を左肩の方向に伸ばします。2.左腕で右腕を挟んでクロスさせて、右肩が伸びるようゆっくり引きます。

3.終わったら反対も同じように行います。
腕のストレッチ
1.右腕を真上にあげた状態で肘を曲げて、頭の後ろにまわします。

2.左腕で右腕の肘を持ち、二の腕が伸びるようゆっくり引きます。
3.終わったら反対も同じように行います。
背中のストレッチ
1.両腕を真上に伸ばします。
2. 両腕で持ったダンベルを徐々におろすイメージで、曲げた状態の両腕を頭の後ろぐらいの位置で止めます。

3.1と2を繰り返し行います。
首のストレッチ
1.後ろで手を組みます。
2.そのまま天井を見るように上を向き、首の前側のつけ根を同方向に伸ばして30秒キープします。

目の痒みや鼻のムズムズなど、ただでさえ憂鬱な花粉症。少しでも不快な症状を減らすためにも、上記で紹介した内容を参考にしてカラダのこり対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。