産後にむくみが出てしまう原因
子供を産んだ後、足や下半身がむくみやすくなってしまうのはなぜなのでしょうか。むくみの原因から見ていきましょう。筋力低下による代謝の低下
妊娠中や産後は安静が必要なため、どうしても運動不足になりがちです。そのため筋力が落ちて筋肉量が減ってしまう傾向があります。筋力の低下は代謝の低下を招きます。代謝とはエネルギーの消費のことで、何もしないでじっとしていても行われるエネルギー消費は基礎代謝と呼ばれます。筋肉はカラダの中で最も多くエネルギーを消費するので、筋力が落ちれば基礎代謝の量も低下します。
では代謝が悪くなるとどうなるのでしょうか。カラダが冷えやすくなり、冷えによって老廃物などを含む余分な水分が排出されにくくなります。筋肉はもともと水分や老廃物を追い出すポンプのような役割を持つと言われ、その機能も十分に発揮されません。カラダが冷え、水分が溜まってしまうとむくみが生じるようになります。
水分バランスの崩れ
産後のカラダはそもそも水分バランスそのものが崩れている傾向にあります。妊娠中の体内は羊水などで通常時より水分量が増えていますが、出産の際には破水や出血によって一度に多くの水分が失われます。また、出産後も子供への授乳によって水分が失われていきます。そのため産後はカラダが水分を溜め込むようになり、それがむくみにつながります。ただ、こうした水分バランスの崩れによるむくみは産後数ヶ月程度で治まることが多いようです。筋力低下などの問題がなく、むくみを放置し過ぎていなければ、時間が経つにつれもとの状態に戻っていく可能性が高いでしょう。
産後に起こるむくみをケアする方法
産後のむくみをケアする、あるいは癖にならないようにするには、食事にちょっとした工夫をしたり、トレーニングやマッサージ、ストレッチの習慣をつけたりするのがおすすめです。具体的な方法を紹介しましょう。塩分を控える
塩分の摂り過ぎがむくみを招いてしまうことはよく知られています。産後に食べる料理は濃い味付けにするのをやめて薄味を心掛けましょう。また育児が忙しいとつい外食やコンビニ弁当に頼ってしまいがちですが、これらも塩分が多い傾向があるので要注意です。カリウムを摂取する
カリウムには利尿作用があり、体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を促すと言われています。きゅうり、トマト、ホウレンソウ、イモ類などの野菜、アボカド、バナナ、メロン、プルーンなどの果物にはカリウムが多く含まれています。また、大豆や納豆、こんぶやわかめもカリウムを含んでいます。塩分を含む食事が多くなってしまったときなど、これらの食材を積極的に食べるようにしましょう。足を温める
冷えとむくみはセットのような関係にあります。特に足がむくみやすいという人は、入浴や半身浴で足を温めるよう心掛けましょう。普段から靴下を履くなどして足を温めておくのも大切です。冬は湯たんぽなどを使うのも良いでしょう。さらに足先だけでなく、大きな筋肉のある太ももやお尻を温めるとカラダ全体の血流が良くなります。足を高くして寝る
寝るときに足を高くすると、足に溜まった血液やリンパ液の戻りが良くなり、楽になるとされています。やり方は、足首の下あたりにクッションや枕、毛布を丸めたものなどを置き、10cm程度高くして寝るだけです。就寝中だけでなく、休憩するときなども足を上げるようにしてみましょう。筋トレをする
筋肉をつけるために筋トレにも挑戦しましょう。マシンやバーベルなどの道具を使わなくても、腕立て伏せ、スクワット、腹筋運動など自宅でできるトレーニングで筋力をつけ、筋肉量を増やすことは可能です。ただし、産後まもない時期は激しい運動は禁物です。最初は簡単にできる軽い運動から始めて、徐々に衰えている筋力を取り戻していきましょう。マッサージをする
マッサージは血流やリンパの流れを良くする効果が期待できるなど、むくみケアに役立ちます。入浴中や入浴後などに腹部や太もも、ふくらはぎ、お尻をマッサージしてみましょう。マッサージオイルを使うのが定番ですが、入浴時ならマッサージオイル代わりにボディソープを使うこともできます。ストレッチをする
カラダの関節や筋肉、筋を伸ばすストレッチも代謝を高めてむくみを取る効果が期待できます。足や下半身がむくんできたときに適したストレッチ法をマスターしておけば、早めに対処することができるでしょう。産後のむくみのストレッチ・トレーニング方法
最後に、産後のむくみケアのために知っておきたいストレッチ・トレーニング方法を紹介しましょう。お尻のストレッチ
お腹を引き締めるためにお尻のストレッチをすると、筋肉の柔軟性が高まり、血行が促進されるとともに、新陳代謝が活性化され、むくみのケアにつながります。骨盤の形も整い、ぽっこりお腹の解消する可能性もあります。ストレッチの方法は以下の通りです。
- 仰向けで膝を90度に曲げ、反対の足首を大腿部にのせます。
- 脚の間に手を通し90度に曲げている方の脚裏を両手で手前に引き上げて30秒間キープします。足首を乗せた方のお尻に効果的です。反対側も同様に行います。
お尻の筋肉を手で揉む
腰に手をあてて、お尻の筋肉を親指で上から下に向かって全体的にもみほぐしましょう。
足首をまわす
ひざ裏を全体的に手で揉む
両手を図のように片足に添えて、親指でひざ裏を全体的にもみほぐしましょう。.bmp)
産後のむくみは一過性のものとも言えますが、放置するとカラダの代謝が下がり、冷えなどを引き起こしかねません。結果、痩せにくいカラダになってしまうこともあるので、今回紹介した対処法の中から自分に合ったものを実践してみてはいかがでしょうか。