日本人に多い「緊張型頭痛(緊張性頭痛)」
緊張型頭痛(緊張性頭痛)とは、頭や首の後ろ、肩、背中周辺の筋肉が緊張することによって痛みが起こる頭痛のことです。原因となる疾患がないにも関わらず痛みが起こり、検査をしても異常がないのが特徴で、片頭痛と同じく慢性頭痛の一種に分類されています。緊張型頭痛は日本人に多く、パソコンやスマホなどを使用する際の下向きの姿勢などが原因となる場合もあるため、「パソコン頭痛」や「スマホ頭痛」とも呼ばれています。
肩こりを伴うことも! 緊張型頭痛の原因と症状
首や肩の周りの筋肉が緊張することで起こる「緊張型頭痛」。その主な原因とされているのが、身体的・精神的なストレスです。たとえば、仕事でデスクワークやパソコン作業をすることが多い現代人は、長時間同じ姿勢をとり続けてしまうため、首や肩周り、頭の筋肉に負荷がかかってしまいます。その結果、筋肉が疲れてしまうだけでなく、神経が刺激されて痛みが生じるといわれています。また、プレゼンや会議など人前で話をする時には精神的なストレスを感じることで神経や筋肉の緊張が高まり、自律神経が乱れて血行不良や筋肉疲労が起こってしまうことも。
緊張型頭痛の主な症状としては、後頭部から首にかけての痛みや、頭全体が圧迫されて締めつけられるような痛みが続くのが特徴です。人によっては肩こりや眼精疲労、めまいなどの症状が現れるケースもあります。
緊張型頭痛と片頭痛の違い
緊張性頭痛と片頭痛はどちらも日本人に多い頭痛ですが、それぞれの特徴をきちんと理解して自分がどちらに該当するのかを正しく判断する必要があります。では、実際に緊張型頭痛と片頭痛にはどのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。痛みの違い
どちらも肩こりの症状が見られることがあるため混同されがちですが、片頭痛は「ズキン、ズキン」という拍動性の痛みが出るのに対し、緊張型頭痛は頭全体をぎゅっと締めつけられるような痛みが出るという違いがあります。症状の違い
片頭痛は頭痛以外にもめまいや吐き気を伴うことがあるのに対し、緊張型頭痛は吐き気がなく、めまいが伴うことも少ないのが一般的です。緊張型頭痛の予防と対処
実際に緊張型頭痛にならないためにはどうしたら良いのでしょうか。また、もし緊張型頭痛になってしまった場合には、どのように対処したら良いのでしょうか。ここでは、緊張型頭痛の予防法と対処法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。【予防法】
適度にカラダを動かす
運動不足になると筋肉量が低下して全身の血の巡りが悪くなってしまいます。緊張型頭痛は筋肉のこりも大きく影響するとされていますので、普段から適度な運動を心掛けることで、血行不良にならないように気をつけましょう。長時間同じ姿勢をとり続けない
デスクワークやスマホを使用している際などに長時間同じ姿勢をとり続けていると、首や肩周りの筋肉に負担がかかってしまい、緊張型頭痛を引き起こすことがあります。定期的に休憩を入れて、席を立ったり、カラダを動かしたりするようにしましょう。ストレスをためない
緊張型頭痛は身体的・精神的なストレスが大きく影響するとされています。自分なりのストレス発散法を見つけるなど、日頃からストレスを溜めない生活を心掛けましょう。【対処法】
カラダを温める
カラダを温めることで血行が促進され、筋肉のこりを和らげることができます。また、ぬるめのお湯にゆったりと浸かることで、自律神経のバランスを整い、ストレス耐性を高められることも期待できます。マッサージやストレッチ
首や肩のマッサージやストレッチをすることで、緊張型頭痛の原因でもある筋肉の緊張をほぐすことができます。心身のリラックス
繰り返しになりますが、緊張型頭痛はストレスが大きく影響するとされています。痛みが出てしまった場合には、ストレスのもとをできるだけ取り除き、心とカラダをゆったりとリラックスさせることが大切です。鎮痛剤を飲む
市販の鎮痛剤を飲むことで、つらい症状を一時的に抑えることが可能です。ただし、鎮痛剤はあくまでも対処療法です。服用回数を制限するなど、鎮痛剤に依存しないようにすることが大切だといえるでしょう。医師の診察を受ける
セルフケアをしても痛みが続く場合には、緊張型頭痛ではなく、ほかの病気が痛みを発生させているケースもありますので、医師の診察を受けることをおすすめします。セルフケアをしたり、市販薬を飲んだりしても症状が良くならない場合や、痛みが増してきた場合、痛みが慢性化している場合には、無理をせずに早めに医師の診察を受けましょう。