生活習慣病の予防、改善のために有効な対策の1つに適度な運動をすることがあります。ではどのような運動が生活習慣病に有効なのか、今回はおすすめの運動をご紹介しましょう。
生活習慣病とは
生活習慣病とは生活習慣が原因で引き起こされると考えられる病気の総称です。生活習慣病に関連した病気にはがん、心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などがあります。
以前はこれらの病気は加齢によって発症することが多いという意味合いを込めて成人病と呼ばれていたのですが、近年は生活習慣が深く関わっていることが重要視されるようになり、生活習慣病という名前が使われています。生活習慣病の原因になる生活習慣には、バランスの悪い食生活、喫煙・飲酒、運動不足、睡眠不足、休養不足などがあります。
生活習慣病の予防、改善をするために運動がおすすめな理由
生活習慣病を予防するには食生活をはじめとする生活習慣を見直すことが大切ですが、特に運動は自ら能動的に行うことができる方法です。生活習慣病対策には、1週間に最低500キロカロリー以上を消費する運動が必要といわれます。
消費カロリーがそれ以下の人は、脳卒中や大動脈解離などの循環器系の疾患による死亡率が上がるというデータもあります。また最近では、運動によってインスリンの働きをよくなることも注目されていて、これによって血糖が下がるだけでなく、血圧やトリグリセライド(中性脂肪)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の代謝にも好影響を与えることが分かっています。
また、適度な運動を習慣化できれば生活にリズムが生まれ、食べ過ぎや飲み過ぎ、睡眠不足なども連動して改善しやすくなるでしょう。
生活習慣病の予防、改善のためのおすすめの運動は?
では、具体的に生活習慣病に“効く”のはどのような運動なのでしょうか。おすすめのものをご紹介します。
ウォーキング
生活習慣病に効果があるといわれるのは有酸素運動です。となればジョギングでもいいのですが、運動に慣れていない人にとって走るのはカラダに対する負担が大きいので、ここではもっと手軽なウォーキングをおすすめします。歩く速さはあまり気にせず、なるべく元気に、歩きやすく気持ちのいいコースを探してウォーキングしましょう。15分以下だと脂質が消費されないので、1日30分程度を目安にしてください。
水泳
水泳も水に入ってマイペースでゆっくりと泳ぐか、水中を歩行するだけでもOKです。水中歩行、水中ランニングなどは水中運動、アクアフィットネスなどと呼ばれ、立派な運動です。水泳や水中運動は全身運動になり、多くの筋肉を使います。さらに心肺機能も高めらるので、生活習慣病予防や改善のためには理想的な運動法の1つといえます。
生活習慣病の予防、改善におすすめのストレッチ
運動後、寝る前などのさまざまなシーンでストレッチは効果的です。今回は初心者向けの簡単なストレッチをご紹介します。
肩こりへのストレッチ
腕上げ
- 腕を正面に8秒かけてゆっくり腕を上げ、また8秒かけてゆっくり腕を下げます。これを4回繰り返し行います(2セット)。
2.次は腕を横に上げます。先程と同様に8秒かけてゆっくり腕を上げ、また8秒かけてゆっくり腕を下げます(2セット)。
ローイング
- 両手でタオルの両端を外側へ引っ張りながら握り、タオルがたるまないようにします。
- 次に、そのタオルを頭の後ろを通って下ろせるところまで下ろします。6~10回(2セット)行ってください。胸をはって、引き続きタオルの両端を外側へ引っ張り、タオルがたるまないようにすることがポイントです。
シュラッグ
- 水の入ったペットボトルを両手に一本ずつ持って立ちます。
- 次に肩を耳に近づけるよう、ゆっくり上げていきます。 ゆっくり上げたら、そのままゆっくり下ろしてください。これを8回(2セット)繰り返します。力を抜いて一気に下ろさないようにするのがポイントです。
ショルダープレス
- 両手を図のように耳の横の位置まで持ち上げます。このとき、腕をまげる角度を90度にするのがポイント。
- 次に腕を真上に上げます。上げきったら、ゆっくり最初の姿勢に戻してください。これを6~8回(2セット)繰り返してください。なれたらペットボトルを持って行うと良いでしょう。
STポール肩回し
- 両手でそれぞれの肩をさわります。その後に肘をぐるぐるとまわします。これを10周(1セット)繰り返し行います。
- 慣れたら、手を広げてぐるぐる回しましょう。
腰痛へのストレッチ
スタビラ(四つん這い)
- 四つん這いになり、足を90度にまげます。
- 片手ずつを図のように15~30秒(1セット)ほど上げます。
- 次に足を上げます。一緒に手を上げると効果的です。
ドローイン
1.仰向けに寝て膝を90度まげます。その状態で背筋を伸ばして胸を張り、6~8回(2セット)息を大きくゆっくり吸い込んでください。このとき、お腹はヘコましたままで、胸を膨らませるイメージでやるのがポイントです。
レッグカール
1.うつぶせになった状態で膝をまげてください。これを6~8回(2セット)行ってください。
レッグエクステンション
1.座った状態から膝から下を上げる動きを6~8回(2セット)行ってください。
スクワット
- ここでいうスクワットは椅子を使って行います。座っては立ってを繰り返し4~6回行ってください。
- 慣れてきたら、背中と壁の間にバランスボールを挟んでやってみてください。
ウォールドリル
1.何かつかまれるものにつかまって、足踏みをします。それを左右の足それぞれで15~20回繰り返します。このとき、膝をできるだけ上げるのがポイントです。慣れてきたら、テンポアップしてみてください。
まずはどれか自分ができそうな運動を始めてみること、それが生活習慣病、そしてあなたの生活を変えるきっかけになるはずです。健康のための運動を習慣づけてみてはいかがでしょうか。