年齢とともに気になり始めるヒップライン。お尻は決して大きくないにもかかわらず、お尻の形が崩れ、「垂れ尻」に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。お尻の崩れは、お尻の筋肉低下や姿勢の崩れが主な原因だと言われています。20代後半~30代前半など、早い段階から現れることも……。普段から運動不足の人や猫背になりがちの人は、特に注意が必要です。
お尻が垂れてしまう原因
日常生活の中でどのようなことが、お尻が垂れてしまう原因となっているのでしょうか?
お尻の筋肉を使わずに歩いている
筋肉の衰えは、お尻が垂れてしまう最大の原因です。お尻の筋肉は、起立・歩行・階段昇降などの基本的な動作の要となる筋肉。日常的に歩くことが少ない人はもちろん、猫背や反り腰の状態で歩く癖や、太ももを上げないで歩く癖がある人は、お尻の表面を覆う大殿筋の筋力低下を加速させているかもしれません。
運動不足
運動不足により、お尻の皮下脂肪が増加すると、その重みでお尻が垂れ下がってしまいます。また、お尻の筋肉は、正しい姿勢を保つために重力に逆らって収縮する抗重力筋。筋肉を収縮させる機会がなければ、どんどん衰えてしまうことも。
足を組む
普段から足を組んで座る習慣があると、骨盤を横方向から支える中殿筋が伸び、骨盤が歪みます。骨盤が歪むと、お尻全体の筋肉のバランスが乱れ、お尻の形が崩れてしまう可能性があります。
座っているときの姿勢が悪く、骨盤が後ろに傾いてしまう
背もたれに寄りかかり、座面から滑り落ちるような姿勢で椅子に座ると、骨盤が後ろに傾き、猫背を引き起こします。この状態が長く続くと、お尻が全体的に下垂するだけではなく、お尻の位置が低くなり、丸みを失い平たく広がった「扁平尻」へと向かう可能性があります。
お尻の筋肉の衰えをチェックする方法
何層にも渡り複雑に重なり合うお尻の筋肉。お尻の筋肉が衰えると、日常生活における基本的な動作や正しい姿勢の保持にも影響が及びます。お尻の筋力や柔軟性は、以下に紹介する方法でチェックすることができます。
片足立ちをした際に足を真横に上げようとします。45℃程度まで上げたときにバランスを取りにくいと感じた場合はお尻に疲労が溜まっている可能性があります。
骨盤の歪みをチェックする方法
骨盤の歪みといっても、骨が変形するものではありません。骨盤を構成する左右の寛骨をつなげる筋肉・靭帯の緩みにより、骨盤全体が不安定な状態になることを指します。以下のようなサインが現れたら、骨盤が歪んでいる可能性があります。
スカートが歩いているうちに回ってしまう
骨盤が歪んでいると、歩いているうちにスカートのファスナーの位置がずれてしまったり、片方の肩ひもだけが落ちやすくなったりします。
足を伸ばして座ったときに左右の長さが違う
骨盤が歪むと、股関節の位置が変わり左右の足の長さに差が生じてしまいます。大腿骨が捻れてしまい、自然とひざが内側を向いてしまうのも同様です。
靴のかかとの左右どちらか一方だけすり減る
重心の位置がずれ、左右どちらかに体重がかかるようになります。靴のかかとが片方だけ減るのは、骨盤が歪んでいるサインです。
目をつぶって片足で10秒以上立てない
骨盤が歪むと、骨盤や股関節周辺、体幹の筋力に左右差が生じ、片足でのバランス保持が難しくなります。10秒以上立てなかったら、注意が必要です。片足で立てたものの、片方の骨盤が上がったり、下がったり、傾いたりしている場合は、お尻の筋力にばらつきがあることが考えられます。
お尻の垂れをケアする方法
お尻の垂れが気になる人は、以下の方法で緩和していきましょう。
お尻の筋肉を使って歩く
お尻の筋肉を使って歩くため、背筋をピンと伸ばした姿勢から重心を前に移動させ、足を踏み出すとともにひざを伸ばし、かかとから着地します。このとき、後ろ足の太ももの裏側がしっかりと伸びているのを感じながら歩くことが大切です。慣れない靴や、ヒールの高い靴を履くと、お尻の筋肉が過剰に緊張したり、骨盤が後ろに傾斜しお尻の筋肉をうまく使えない状態になってしまうため、注意が必要です。
骨盤を立てて座る
椅子にできるだけ深く腰掛け、背筋を伸ばし頭が前に出過ぎないよう注意します。骨盤を立てるようなイメージです。背もたれが直角でない場合は、背中にクッションを入れるなどして、首、背筋が自然とまっすぐになるように工夫しましょう。また、左右どちらかに体重が偏らないようバランスを保つ習慣を身につけましょう。
矯正下着を活用する
根本的な解決には至りませんが、矯正下着を使うことによって、骨盤の位置を補正したり、骨盤の歪みを予防する効果が期待できます。締め付けが強過ぎると、筋収縮を妨げることになるため、注意しましょう。
お尻のストレッチをする
お尻や股関節の筋肉を柔軟に保つことで、骨盤を正しい位置に戻し、形の崩れを緩和することができます。猫背の強制にもつながります。
ストレッチ方法は以下の通りです。
1.仰向けで膝を90度に曲げ、反対の足首を大腿部にのせます。
2.脚の間に手を通し90度に曲げている方の脚裏を両手で手前に引き上げ30秒キープ。足首を乗せた方のお尻に効果的です。反対側も同様に行ってください
お尻の筋力をつけるトレーニング(スクワット)
お尻の筋力をつけると、お尻と太ももの境目が明確になり、ふっくらとしたお尻をつくることができます。
トレーニング方法は以下の通りです。
1.腕をまっすぐ前に上げて足を肩幅に広げて立ちます。
2.1~2秒かけてゆっくりと腰を下ろしてももが床と並行になったら1~2秒静止して3~4秒かけて立ち上がります。これを10回繰り返します。
※膝がつま先より前に出ないようにする
お尻の垂れは、運動不足による筋力低下、姿勢の崩れによる骨盤の歪みが主な原因と言われています。女性の場合、出産による影響やホルモンバランスの乱れによる影響も大きいと言われていますが、簡単な筋力トレーニングやストレッチによりお尻の垂れを 引き起こしにくくすることができます。いつまでも若々しいヒップラインを保つために、上記で紹介した方法をぜひお試しください。