背中が痛いと感じることは日常生活の中でしばしばあることですが、その原因は実にさまざまです。ただ姿勢が悪い、疲れがたまったなどの原因であればよいですが、実は重大な病気が原因で痛みが出ることもあります。今回は、背中が痛くなる原因、背中の右側、左側で変わる病気と症状についてご紹介します。
病気以外の背中の痛みの原因
病気以外の背中の痛みの原因は、肉体労働などによる筋肉疲労、猫背などの悪い姿勢、デスクワークで同じ姿勢を続けることで起こる血行不良、胸やお腹など他の部位の痛みの影響、ウイルスや細菌などの感染の影響、日々の生活のストレスなど実にさまざまです。
背中の痛みの原因はさまざまで、個人で特定して対処することは困難ですので、背中の痛みがあった際は病院に行って詳細に調べることをおすすめします。
背中の右側が痛む場合に考えられる病気
・肝臓がん
肝臓にできる悪性腫瘍「癌(がん)」ができることを指します。右側のお腹の不快感、右側の肩甲骨や背中の痛み、カラダの衰弱などの症状が現れます。比較的に女性より男性が多い傾向にあります。
・肝炎
肝炎は肝臓がなんらかの原因で炎症が起きている状態を指します。発熱、背中の右側の痛み、カラダがだるくなる、黄疸などの症状が主です。
・胆石症
脂肪の消化を助ける役割のある胆汁の成分が固まってできた小さな石(胆石)が、胆のうの出口に詰まってしまい、痛みを引き起こす病気が胆石症です。みぞおちから右脇腹にかけての痛み、背中の右側の痛み、寒気や吐き気などが主な症状です。
・胆のう炎
胆のうに炎症が起きてしまった状態を胆のう炎と言います。胆石症で詰まってしまった胆石がなかなか移動しないことが原因で炎症を引き起こしてしまい胆のう炎になります。胆のう炎は、急性胆のう炎と慢性胆のう炎の2種類があり、症状は異なります。急性胆のう炎は発熱、吐き気、右側の腹部から右肩、背中の右側の激しく痛みが出て、慢性胆のう炎は右側の腹部や背中の右側にズキズキするような痛みを感じるくらいです。
背中の左側が痛む場合に考えられる病気
・膵炎
膵臓から分泌される膵液の消化酵素が膵臓自体を消化してしまい炎症を起こす病気です。急性膵炎と慢性膵炎の2つがあります。腹部周辺の痛みがもっとも特徴的な症状で、ほかには背中の左側の痛み、発熱、食欲がないなどの症状が現れます。
・膵臓がん
膵臓にできる悪性腫瘍「癌(がん)」ができることを指します。みぞおちから左わき腹にかけての鈍い痛み、背中の左側の痛み、全身のだるさ、下痢や便秘などの症状が現れますが、病気の初期段階では自覚症状がないことが多く、これといった特徴のある症状がないので、早期の発見が難しい病気です。
・胃炎
胃に起きる炎症のことで、種類は急性胃炎と慢性胃炎に分けられます。胃周辺の痛み、背中の左側の痛み、胸焼け、胃のむかつきが主な症状で、症状が重い際は吐血や下血の症状が見られます。
・心筋梗塞
心臓の筋肉に栄養を与える冠状動脈が詰まってふさがり、心臓に血液が送れなくなって心臓が壊死してしまう病気が心筋梗塞です。背中の左側の痛みの他、胸に激痛が走り、発作後は徐々顔色が悪くなって冷や汗や吐き気、意識障害などの症状が見られます。最悪の場合、不整脈が起こって急死することもあります。
背中の痛みの予防に効果的なストレッチ
背中の痛みの予防に効果的なストレッチをご紹介します。
・背中のストレッチについて①
- 椅子に浅く座って両足を大きく左右に開きます。椅子がないときは床で座って行ってください。
- 両手で頭の後ろを軽くつかみ、背中を丸めながら徐々に両足の間に向かって下ろしていきます。頭に重りを乗せた気持ちで両腕の重みを利用して、両膝より低いポジションまで両肘を押し下げることがポイントです。
・背中のストレッチについて②
- 床に仰向けに寝て、片足を曲げて床で伸ばした足にクロスさせます。
- クロスさせた膝の外側を反対の手で抑える。一方脳では肩の真横に伸ばす。
- クロスさせた膝を手で押さえながら、足をまげた方向とは逆方向にカラダをゆっくりひねりましょう。終わった左右を変えて行う。※ひねるとき、片足が床から浮かないようにすることがポイントです。
ストレッチはあくまで背中の痛みの予防策として行い、実際に背中の痛みと上記に該当する症状が現れた際は病院に行って原因を調べることをおすすめします。