パソコンやスマートフォンのブルーライトは目に悪いだけではなく、脳やカラダにもよくない影響を与えるということをご存知でしょうか。一体どんな影響があるのか、ここではブルーライトで気をつけるべきことについてご紹介します。
ブルーライトとは?
ブルーライトとは人間の目で見ることのできる可視光線の中でも、380~495nmという最も波長が短い青色光のことです。この波長というのは短いほどエネルギーが強く、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。
ブルーライトよりも波長が短いと紫外線となり、人間の目には見えません(紫外線も目に悪影響を与えます)。最近のパソコンのモニターやスマートフォンの画面にはLEDが使用されていて、そこから発せられる光にはブルーライトが多く含まれています。
パソコンやスマホのブルーライトがカラダに与える影響
問題は、このブルーライトが人のカラダにどんな影響を与えるかです。整理すると、以下のような害があるといわれています。
・目の疲れ
ブルーライトは散乱しやすく、目がピントを合わせづらいという性質があります。モニターを見ていて眩しさやチラつきを感じることがあるとすれば、恐らくこのせいです。目が一生懸命ピントを合わせようとすると、目の筋肉が酷使され、眼精疲労を引き起こします。この疲れがひどくなると目がしょぼつくだけでなく、痛みを感じることもあります。
・視力の低下
目の構造を簡単に説明すると一番外側の角膜はカメラのフィルター、水晶体はレンズ、網膜はフィルムのようなものです。しかしブルーライトは一気に網膜にまで達するので網膜に少しずつダメージを与えていきます。これは紫外線も同じで、太陽を直接見てはいけないといわれるのはそのためです。
ブルーライトや紫外線で網膜の中心部にある「黄斑」がダメージを受けると、「加齢黄斑変性」の原因になることが考えられます。この加齢黄斑変性は、アメリカでは65歳以上の失明原因の第1位となっています。
・睡眠障害
もう一つ、懸念されているのが、夜にブルーライトを浴びすぎると睡眠覚醒リズムが崩れる可能性です。もともとブルーライトは太陽光に多く含まれているものなので、人間の脳とカラダは、朝、ブルーライトを浴びると覚醒して活動を始める仕組みになっています。
しかし寝る直前までパソコンやスマホの画面を見ていると、脳に誤った情報が伝達されて半ば覚醒し、眠りの質が低下するというわけです。そのほかにも脳がブルーライトを感知することで生体リズムや生理的調整機能に変調をきたす可能性があることが指摘されています。
ブルーライトをカットするための対策は?
最近はパソコンのモニター用にブルーライトをカットする保護フィルムが発売されています。スマホの保護フィルムもブルーライトカットをセールスポイントにしているものがあるので、気になる人はこれらを利用するといいでしょう。モニターや画面の輝度調整も下げて、できるだけ白バックよりも黒バックを選ぶほうが目にはやさしい画面になります。また、パソコンやスマホを使う際に使用するブルーライトをカットするメガネもあります。これも一定の効果があるでしょう。
ただし、これらの対策も万全というわけではありません。もっと大切なのはパソコンやスマホを使いすぎていると感じたら、すぐに休憩をとることです。また、夜寝る前にベッドの中でまでスマホを持ち込んで画面を眺めるのはやめておくべきです。パソコンやスマホを使うことより、まず、自分の目やカラダを大切にすることを優先してください。