目がピクピクと痙攣する状態を経験したことはありますか? この痙攣はさまざまな原因によって現れますが、中には疾患が原因となっていることもあります。今回は、目が痙攣する原因の種類とそれらの対策について説明します。
目が痙攣(けいれん)する原因
目の痙攣の原因のひとつが疲れ目。これはパソコンやスマートフォンを長時間見続けるなどして目を酷使していたり、合わないメガネやコンタクトレンズを使っていたりすることが主な原因です。このほかにも、疲労やホルモンバランスの乱れ、栄養不足などによっても、目の周りが痙攣することがあります。
目の周りの痙攣は、「眼瞼(がんけん)ミオキミア」と呼ばれるストレスなどが由来となるもの、「片側顔面痙攣」と呼ばれる顔の片側の筋肉が引きつるもの、「眼瞼痙攣(がんけんけいれん。ジストニアとも)」と呼ばれるものなど、明確に疾患として扱われることもあります。
まぶたが痙攣(けいれん)する場所とその原因
目の痙攣は、原因によって症状が起こる場所も変わります。
・下まぶたの痙攣
ドライアイやストレス、睡眠不足などによって目の疲労が溜まると、目の周りが細かく痙攣することがあります。「眼瞼ミオキミア」と呼ばれるものは、これらが原因であることが多いと言われており、片目の下まぶたに起こることが多いと言われています。
・顔の片方全体(顔面神経)
「片側顔面痙攣」は、脳幹において、顔面の神経が特定の場所(血管や腫瘍)などに触れることで起こります。この痙攣は「顔面スパスム」と呼ばれることもあります。また、この痙攣はまぶただけでなく、顔が引きつるような感覚でほかの部位にも痙攣が起こることがあります。
・両目のまぶたの痙攣(原因は不明)
両目のまぶたが急に閉じてしまう「眼瞼痙攣」は、原因がはっきりしていません。
ただ、精神的な疾患に処方される薬などによって起きることがあると言われています。
また、眼瞼痙攣はまぶしさや目の乾きを感じることもあり、ドライアイを併発することがあります。
目の痙攣(けいれん)の対策
「疲れ目」、「ドライアイ」による目の痙攣の可能性がある場合は、一定時間目を休ませたり、目に負担をかけないようにしたり、蒸しタオルなどを目にあてて温めることがおすすめです。また、マッサージやストレッチで疲れ目をケアすることも有効です。今回はストレッチをいくつか紹介します。
●首と頭の境目のストレッチ
1.耳後ろあたりの首と頭蓋骨の境目に親指を当てます。
2.親指を視点に顔を斜め上にあげます。
3.反対の手をおでこあたりにおき、親指に向かって押し込みます。
4.逆側も同様に行いましょう。
●頭の筋肉ストレッチ
1.親指以外の指(人差し指~小指)を耳の上辺りの側頭部に置いて、耳を覆います。
2.当てた指をその場で円を描くようにゆっくり押し回す。これを15~20秒キープします。
病院での受診をした方が良い場合はどんなとき?
まぶたが痙攣する頻度が高い場合やまぶた以外の部位でも痙攣が起きている場合には、自宅のケアで済ませず、必ず病院を受診するようにしましょう。眼科を受診して、どのような症状があるかを説明し、適切な検査を受けるようにしてください。
特に、「しばらく休んだのに治らない」、「痛みが出るようになった」、「眼のケアをしているのに、一向に良くなりそうな気配がしない」ということであれば、単純に「疲れ」だけが原因ではなく、もっと大きな問題が隠れているかもしれません。
「自分の意志とは関係なく、目の筋肉が勝手に動いている状態」というのは、不快ですし、また不安でもあります。もし、ケアを行っても痙攣が続く場合、「不安」を解消するためにも、早めに病院に行くことをおすすめします。