腰痛の症状がひどいと、座っているときに痛いことがあります。座る際は、できれば椅子に座るのが理想的ですが、ときには床や畳に直接座らなければいけない場面もあるでしょう。たとえ短い時間とはいえ、間違った座り方をしてしまうとますます腰に負担をかけてしまうため、座り方には十分気をつけてください。ここでは、腰に負担のかかる床への座り方と改善方法についてご紹介します。
腰痛の人が座り方を意識する必要性
腰痛の人は、立っているときよりも座っているときの方が腰への負担が大きくなります。これは、立っている状態では足の筋肉や腹筋、背筋などで体重を支えていますが、座ると腹筋がゆるんでしまうため、その分の負担を骨が支えることになるからです。
スウェーデンの整形外科医師、アルフ・ナッケムソンの研究では、まっすぐ立っている状態での腰への負荷を100とした場合、椅子に座るだけで負荷が140になり、座った状態で前かがみになるとさらに負荷がかかると報告されています。
つまり、座るだけでも腰への負荷が高くなるため、間違った座り方をしてしまうとさらに腰痛を悪化させてしまうということ。一口に座ると言っても椅子に座る、正座をする、あぐらをかくなどたくさんの座り方がありますが、できるだけ腰への負担が少ない座り方を意識することが大切です。
腰に負担のかかりにくい床での座り方
腰痛持ちの人は、腰に負担がかかるためできるだけ床に座らないのが理想的ですが、どうしても床に座る必要がある場合は、壁などによりかかって座りましょう。体重を壁に分散できるため、負担が軽減されるはずです。
床に座る際に避けるべき座り方
「座るのが楽だから」と多くの人が好む横座り。横座りとは正座の状態から足を外側、または内側へ崩すことを言い、女性によく見られる座り方です。しかし、横座りはカラダのバランスが悪く股関節がねじれている状態となり、骨盤や腰への負担が大きくなるためおすすめできません。あぐら、体育座り、正座など他の座り方をするようにしましょう。
ただ、同じ体勢で長時間座るのも良くありません。カラダの一部に負荷がかかり続けるためです。最も理想的なのは長座のような座り方ですが、この状態をずっと続けるのも難しいと思いますので、一定の間隔を空けて立ち上がるなどリフレッシュをしたり、座る体勢を変えたりすると良いでしょう。
床に座る際に活用したいもの
床に座る際に活用したいものと言えば、座椅子とクッションが挙げられます。座椅子は座る姿勢を正し、体重を分散する役割があります。最近では、腰痛に効果が期待できる専用の座椅子なども発売されているので、ぜひチェックしてみてください。
また、腰痛をサポートしてくれるクッションも人気です。骨盤を矯正したり、座り続けることで正しい姿勢になるようなクッションも市販されているので、腰痛対策に座椅子とクッションを準備してみましょう。
腰痛時には「立っているときよりも座っている方が楽チン」と思われがちですが、実は座っているときの方が負担は大きくなります。上記を参考に床に座る場合は横座りやあぐらを避け、座椅子やクッションなどを併用して腰の痛みを緩和しましょう。