カラダが疲れているのに、夜になってもぐっすり眠れないという人は意外に多いのではないでしょうか。実はその原因として肩こりが関係している場合があります。
それではなぜ肩こりが不眠を引き起こしてしまうのでしょうか。ここでは肩こりによる不眠のメカニズムや、眠れるカラダに導くストレッチ方法について紹介します。
肩こりが原因で不眠症になるのはなぜ?
眠りの質は交感神経、副交感神経のバランスによって左右されます。交感神経は日中活動しているときや緊張、ストレスを感じるときに働く神経で、副交感神経は休息やリラックスしているときに働く神経のことを言います。
昼間起きているときは交感神経が優位になり、夜の就寝前は副交感神経に切り替わることでカラダがリラックスして、ぐっすりと眠ることができるのです。
不眠症の原因の多くは自律神経の乱れによるもので、交感神経と副交感神経の入れ替わりがスムーズにいかず、就寝時間になっても交感神経が優位に働き、夜眠れないといった症状が出てしまうのです。
肩こりは筋肉が常に緊張している状態。筋肉が緊張している状態というのは、自律神経の交感神経が活発に働いている状態ですから、うまくリラックスができず、結果として不眠を招いてしまうことになります。
肩こりになると就寝中でも筋肉が緊張し続けている状態になるので、寝つきが悪かったり、なかなか眠れないといった症状が起きやすくなるのです。
眠れるカラダに戻すストレッチ方法
肩こりが原因で眠れない人でも、ストレッチをすることで質の良い眠りを得ることができます。疲れたカラダをリフレッシュさせるためにもしっかりと睡眠をとることが大切になりますので、ぜひ以下のストレッチを試してみてください。
首、肩のストレッチ
1. 椅子に浅く座って背筋を伸ばし、胸を張ります。
2. 頭の後ろで手を組み、両肘を外に開きます。
3. 鼻から空気を吸い込みます。
4. 姿勢を保ち、両肘を閉じながら、鼻から吸い込んだ空気を口からゆっくりと吐きます。同時に頭を前に倒して首の後ろの筋肉全体を伸ばします。
5. 首の後ろの筋肉全体の伸びを感じたら、そのまま30秒キープします。
6. これを3回繰り返します。
肩のストレッチ1
1. 姿勢を正し、頭が真上を向いた状態にします。
2.両手をそれぞれの耳たぶの後ろに当て、指を耳たぶの後ろにそろえます。
3.指を軸にしてアゴを引きます。
肩のストレッチ2
1.右腕を左肩の方向に伸ばします。
2.左腕で右腕を挟んでクロスさせて、右肩が伸びるようゆっくり引きます。
3.終わったら反対側の腕も同じように行います。
眠れるカラダに戻すために試したいストレッチ以外の方法
ストレッチをすることで快眠効果が高まりますが、以下の方法も併用することでさらに効果が高まります。
適度に運動する
肩こりは肩甲骨周辺の筋肉の緊張や血行不良が原因であるため、肩甲骨周辺を動かすような運動を意識すれば、血行が促進されて肩こりが解消される可能性が高まります。そのためにはウォーキングや軽いジョギング、ダンスや体操などがおすすめ。適度な運動は心地よい疲れとなり、カラダをしっかり休めることができるため、睡眠の質が向上するのです。
十分な栄養をとる
睡眠に栄養は必要ないと思っている人も多いかもしれませんが、それは大きな間違い。快眠を得るためには、アミノ酸を中心にしたバランスの良い食事を摂ることが大切です。できる限り脂が多い食べ物は避け、野菜や魚などを中心とした献立にしましょう。
朝はきちんと太陽の光を浴びる
人は朝、太陽の光を浴びることで交感神経が優位に働き、活動をするためのスイッチが入ると言われています。自律神経の乱れを整えるには交感神経のオン、オフを規則的に切り替えることが重要なので、朝はしっかりと太陽の光を浴びて活動モードにする必要があります。また、夜の就寝前はスマホやパソコン、テレビなどのブルーライトが出るものは控えるようにしましょう。そのブルーライトによってカラダが日中だと勘違いしてしまい、スムーズに眠れなくなってしまうことがあるからです。
湯船につかる
湯船につかってじっくりカラダを温めることは、カラダをリラックスさせて副交感神経を高める働きがあります。お風呂に入るときはシャワーだけで済まさず、ゆっくりと湯船につかることを意識してください。ただ、温度が高すぎたり、長時間入ることによりのぼせてしまうと交感神経が優位となって逆効果になってしまうので注意してください。
このように肩こりと不眠症は深い関係があります。眠れない原因に心当たりがない場合は、もしかすると肩こりが原因になっているかもしれません。上記を参考に改善していきましょう。