今回は、長時間座ることで腰痛になってしまう理由と、その対策を解説していきます。
長時間座っていると腰痛が悪化する理由
腰痛というと重たいものを運んだり、無理な体勢をしたりすることで悪くなるイメージがありますが、実は座っているだけでも腰痛を悪化させてしまう場合があります。特に、デスクワークなどで長時間座り続ける人の場合、ズキズキした鈍い痛みが慢性化してしまうこともあるのです。長時間座っていると腰痛が悪化してしまう理由を見ていきましょう。私たちは立っているときよりも座っているときの方が楽だと思いがちですが、実際には正しい姿勢で立っているときと比べて、座っているときの方が腰への負担が大きい場合があるのです。特にデスクワークなどでカラダが前傾しているときは、その負担はさらに大きくなるとされており、腰痛の悪化を招く要因の一つだといわれています。
座っているときに腰にかかる負担は、立っているときの腰の負担の2倍近くになることもあるといわれています。整形外科医だったアルフ・ナッケムソンの研究によると、たとえば、正しい姿勢で立っているときの腰への負荷を100とした場合、仰向けで寝たときには25、横向きで寝たときには75なのに対し、座っているときの数値は140にまで増えます。さらに、座っていてカラダが前傾した状態では185まで跳ね上がり、より大きな負担がかかっていることが分かります。
腰痛になりやすい座り方
デスクワークなどで長時間座る生活を続けていると、自分でも気がつかないうちに姿勢が崩れてしまっていることがあります。普段何気なくしている座り方の癖が、実は腰に大きな負担をかけてしまっていることもあるのです。どのような座り方をしていると腰痛になりやすいのか、詳しく見ていきましょう。
足を組んで座る
足を組んで座ると、カラダの片側に重みが乗っている状態になります。骨盤のズレを招いてしまい、腰に負担をかけてしまう可能性があります。左右対象ではない座り方
デスクに対してカラダを斜めにして座るなど、左右対称ではない座り方をしていると、カラダの重心がズレてしまい腰痛の原因となることもあります。肘をつくなどの前傾姿勢
頬杖をつきながら本を読んだり、パソコンを操作したり、カラダが前傾した状態で座っていると、腰への負担が増してしまいます。腰痛になりにくい正しい座り方
長時間座り続けることのリスクが注目されるようになったことで、上下可動式のデスクを採用して、立ってでも座ってでも仕事ができるようにしている企業もあります。しかし、そうした環境が整っていないケースの方が圧倒的に多いため、長時間座らなくてはいけない場合には、自分自身で腰への負担を軽減することが大切です。腰に負担がかかりにくく、腰痛になりにくいとされる座り方のポイントは以下の通りです。
椅子に深く腰掛ける
椅子の背もたれと背中との間が空いていると、時間の経過と共に猫背になってしまいがちです。椅子に座るときには、深く腰掛けて背もたれと背中との空間を少なくすることを意識しましょう。椅子の高さを調節する
椅子は低すぎても高すぎても正しく座ることはできません。理想的な椅子の高さは、膝の角度が90度ぐらいになる状態です。デスクとの距離に注意
デスクとお腹との距離は握りこぶし1個分ほど開けておくのが理想的です。机から遠すぎると前傾姿勢になってしまうので気をつけましょう。長時間座っても腰痛にならないためのコツ
長時間座ることが健康にも腰にも良くないことを分かってはいても、デスクワークが仕事の人はどうしても避けられません。止むを得ず長時間座り続ける必要がある場合には、適度に休憩を取って立ったり歩いたりする時間を作るようにしましょう。また、椅子の座面が大きく、背もたれの位置が遠いと感じる人は、背中との間にクッションを入れるなどして、猫背にならないようにすると良いでしょう。
長時間座る人向けの腰痛対策ストレッチ
日頃から長時間座る生活をしている人は、腰への負担を軽減するためにセルフケアをすることも大切です。ここでは、長時間座る人向けの腰痛対策ストレッチを紹介します。入浴後や寝る前などにぜひ試してみましょう。このストレッチは、股関節と太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)を伸ばすことが目的です。これらの部分にある筋肉が硬いと腰痛の原因となるため、しっかりと伸ばしましょう。
1.仰向けに寝ます。
2.片足をもう片方の膝に乗せて足を組みます。
3.これを30秒キープし、終わった足を入れ替えて反対側も行います。
難しかったら、下記のように手をついて行ってみてください。
4.これを3セット行ったら完了
長時間座ることは、私たちが思っている以上に腰への負担がかかります。デスクワークなどで長時間座ることが常態化している人は、上記の内容を参考に正しい座り方を意識したり、ストレッチをしたりして腰を労わりましょう。