普段生活しているときに、手のしびれを感じたことはありませんか? 手のしびれは朝起きたとき、仕事中、料理をしているときなどさまざまなシーンで感じますが、実は大きな病気が隠れていることがあります。ここでは、手がしびれる場合に考えられる病気について考えてみましょう。
手のしびれの原因
手のしびれの原因は実にさまざまです。しびれの程度や感じ方も多くあり、長時間正座をしたときに足がしびれるような感覚のものもあれば、なんとなく手に違和感があったり、中には物が持てない、触られても感覚がないような強いしびれもあります。
主な手のしびれの原因としては神経の圧迫によるもの、血行不良によるもの、冷えやむくみによるものなどが考えられます。またストレスや寝不足など、仕事や家事の疲れが影響する場合もあります。姿勢が悪い人も手のしびれを感じることがあり、ストレートネックやなで肩、猫背の人も注意が必要です。
このほか更年期によるもの、ケガによる一時的なものや出来物が原因で手がしびれることもあり、手のしびれの原因には多くの要素があると言えるでしょう。
手がしびれる場合に考えられる病気
上述した手のしびれの原因は生活習慣や姿勢を直せば回復することがありますが、中には病気が隠れているケースもあります。手がしびれる場合に考えられる病気について以下でまとめてみました。
・脳の病気
脳梗塞や脳出血は手のしびれが症状として出るのが特徴です。両手ではなく片側の手だけにしびれが現れることが多く、同時にめまいや頭痛、嘔吐などの症状も併発するケースがあります。
・椎骨、椎間板の病気
頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症など、首回りの椎骨や椎間板の病気が原因で手がしびれることがあります。飛び出した椎間板によって首周りの神経が圧迫されると、手や腕にしびれが現れます。
・脊髄の病気
脊髄の腫瘍などが原因で神経が圧迫されることによって、手にしびれが出ることがあります。交通事故や高い場所からの落下、衝撃によって脊髄が傷つくことで同様の症状が現れる場合も。
・神経の病気
神経の障害が原因で手がしびれるケースもあります。糖尿病をはじめ神経障害はさまざまな種類があるため、大きな病院で診断してもらいましょう。
・手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手根管症候群は手首の神経が圧迫されることで起きるもので、妊娠や出産期、更年期の女性に多く見られます。また骨折などケガをしている人、手首をよく使う人も症状が現れやすいと言われます。このほか、人工透析を行っている人も手根管症候群になりやすいのが特徴です。
・胸郭出口症候群
胸郭出口症候群はなで肩や猫背の人に多いと言われる症状で、姿勢が悪いために鎖骨周辺の筋肉が常に引っ張られてしまい神経を圧迫することでしびれが発生します。
・斜角筋症候群
斜角筋症候群は胸郭出口症候群の一種です。首から肩にかけて伸びる「前斜角筋」、「中斜角筋」そして「第一肋骨」で構成される隙間にある神経の束が圧迫されて手のしびれを感じることがあります。
・過外転症候群
過外転症候群も胸郭出口症候群の一種で、腕を外転したときに小胸筋が神経や血管を圧迫することで手や腕にしびれが発生します。
手のしびれがあるときはどこの病院に行けば良い?
手のしびれはさまざまな原因が考えられるため、症状によって受診すべき科が異なります。骨や筋肉、神経系によるものであれば整形外科や神経内科、脳の異常が疑われる場合は脳外科、このほか内科などもあります。どこの科を受診すべきか分からない際は総合病院に行くことをおすすめします。
このように手のしびれは生活習慣が原因になっているケースがありますが、中には大きな病気が隠れている場合もあります。上記を参考に手のしびれの原因をチェックして、気になる場合は早めに医師の診察を受けてください。