スマホ老眼とは?
スマホを長時間使用していると、若い人でも「目のピントが合いにくくなる」「視界がぼやける」「手元のものが見えづらい」といった老眼に似た症状が現れることがあります。これがスマホ老眼と呼ばれている状態で、20代、30代はもちろん、小中学生でも自覚があると答える人が増えているようです。スマホ老眼と疑われるのはどんなとき?
次のことに心当たりがあるなら、あなたの目もスマホ老眼と呼ばれる状態になっているかもしれません。チェックしてみましょう。近くと遠くで目を移すとピントが合いづらい
手元でスマホを見ていて、不意に遠い場所にあるものに視線を移したときにスムーズにピントが合うでしょうか。逆に、遠くを見ていて手元のものに目を移すとピントが合いづらいという場合も要注意です。スマホ老眼になっていることが疑われます。目の疲れが取れない
長時間スマホを見ていたり、パソコン作業をした後など、どうも目の疲れが取れないと感じる機会が増えていないでしょうか。目が痛い、重い、しょぼつくといった症状が長く続く場合もスマホ老眼になっている可能性があります。肩や首のこり、頭痛などが以前よりひどくなっている
目の疲れとともに、肩や首にこりを感じたり、頭痛がしたりといったことが続いていませんか?こうした全身症状が見られるのもスマホ老眼の特徴です。スマホ老眼の原因
加齢による老眼は、水晶体が硬くなってピントの調節機能が低下することが主な原因です。一方、スマホ老眼では、水晶体を支えつつピントを調節する役割を果たしている「毛様体筋」という筋肉の働きが鈍ることが原因と言われています。スマホの画面を至近距離で見続けていると毛様体筋の緊張が続いて疲労し、やがてしびれたようになって動きが悪くなります。その結果、老眼と同じようにピントの調節機能が正常に働かなくなってしまうと考えられます。
スマホ老眼のリスクが高くなる行動
スマホ老眼を招くおそれがある行動には次のようなものがあります。スマホやパソコンを1日8時間以上見る
スマホの画面やパソコンのモニターなど近くのものを長時間見続けると、毛様体筋が常に緊張している状態になります。また、まばたきの回数も減り、目の乾燥も進んでいきます。さらに画面から発せられるブルーライトは可視光線の中でも最も波長が短く、強いエネルギーを持っているために、目の奥の網膜まで到達することが分かっています。したがって、スマホやパソコンを1日8時間以上見るのはリスクが高い行動と言えます。毎日のようにスマホ、パソコンを使用するのも目の疲れの蓄積を招きます。
寝る前の1時間の間にスマホを見る
寝る前の1時間の間にスマホを見る習慣がついていないでしょうか。ベッドに入ってからもスマホを見るという人はとくに要注意です。ブルーライトによる影響が眠りの質を下げ、疲れ目を十分に回復させることを妨げる可能性があります。また、ブルーライトを浴びるとメラトニンという眠気を誘うホルモンが分泌されにくくなり、体内時計が狂ってしまうという説もあります。そのことが直接、目の機能に影響を与えるとは限りませんが、さまざまな不調をもたらす可能性は否定できないので控えた方が良いでしょう。
スマホ老眼対策
以上を踏まえて、スマホ老眼を防ぐことにつながる対策を考えてみましょう。スマホを見続けない
最も基本的な対策はスマホを長時間見続けないようにすることです。10分程度見たら休憩をとるなどして、目を休ませましょう。スマホの使用時間を測定できるアプリや設定を活用するのも良いでしょう。スマホと顔の間隔を空ける
スマホを使用中、顔を画面に近づけ過ぎないことも意識しましょう。猫背になるのも首や肩に負担をかける原因になります。まばたきをする
スマホやパソコンを使っているときはまばたきの数が減ってしまいます。これも意識してまばたきをするようにしてみましょう。ときどきゆっくりとまぶたを閉じるのも目を休ませるのに有効です。ブルーライトカットメガネを使用する
スマホやパソコンをよく使う人はブルーライトをカットするメガネを用意するのも効果が期待できます。ただし、ブルーライトカットメガネをしていればスマホ老眼にならないというわけではないので注意してください。目を温める
目を温めると、目と目の周囲の血流が促進されます。目が疲れたと感じたときは、蒸しタオルや市販のホットアイマスクなどを目に当てると、凝り固まった毛様体筋をほぐすのに役立つでしょう。目を乾燥させない
目に空調の風などが当たると目が乾燥し、ドライアイになることがあります。目を保護するためにメガネをかけたり、目薬をさしたりして乾燥から守りましょう。緑黄色野菜をとる
緑黄色野菜にはルテインというカロテノイドの一種が含まれています。ルテインは目の黄斑部や水晶体に多く存在し、不足すると目の老化が進むと言われています。多く含まれているほうれん草やブロッコリー、レタス、芽キャベツ、カボチャなどを食べるようにしてみましょう。スマホ老眼のマッサージ
最後に、スマホ老眼の人におすすめのマッサージを紹介します。スマホ老眼に良いマッサージ.1
1.耳の後ろあたりの首と頭蓋骨の境目に親指を当てます。2.親指を視点に顔を斜め上にあげます。
3.反対の手をおでこあたりにおき、親指に向かって押し込みます。
4.逆側も同様に行いましょう。
スマホ老眼に良いマッサージ.2
1.親指を耳の後ろに置き、親指以外の指(人差し指~小指)を耳の上辺りに置いて、耳を覆います。
2.当てた指をその場で円を描くようにゆっくり押し回す。これを15~20秒キープします。
上で挙げたチェック項目の内容に思い当たるフシがあるという人は、スマホ老眼を防ぐ、あるいは悪化させないための対策を考えておくと良いでしょう。スマホを使う時間を減らし、使うときの注意事項を実践するだけでも結果は違ってくるはずです。スマホと上手に付き合う方法を確立して、自分の目を守ってください。