目が痛む理由は、思いのほかたくさんあります。まつ毛や砂など、目に異物が入ってしまったとき、眼精疲労によって目の奥が痛くなるとき、眩しいものを見てしまったとき、ドライアイによって痛むとき……さまざまな原因がありますが、今回はこの中から「ドライアイ」について取り上げます。
ドライアイを放っておくとどうなってしまう?
ドライアイは、本来ならば目を守っている「涙」が少なくなってしまっている状態を指します。通常、泣いているとき以外でも目は薄い涙の粘膜を張っており、これによってゴミや微細なほこりをブロックしています。さらに、涙には栄養や酸素が含まれているため、健康な目を保つために欠かせないものなのです。
しかし、ドライアイになってしまうとこの粘膜が少なくなるため、本来ブロックしていたゴミが目に入りやすくなります。さらに、目に供給される栄養や酸素も少なくなっていることから、目の表面の細胞はもろくなり、視力を担う角膜も傷つきやすくなっています。角膜が傷ついてしまうと、細菌が角膜を通じて繁殖しやすくなり、最終的には感染症を患ってしまうので注意が必要です。
このような重篤な症状ではなくとも、ドライアイは「見えにくい」といった症状をもたらします。これは、涙が目の細胞を守るだけでなく、光の屈折を調節するための手助けをしているためで、涙が少ないと光の屈折がうまく調節できず、ものが見えづらい状態となってしまうのです。そのため、ドライアイを放置していると、通常よりも目を酷使しやすくなり、最終的に疲れ目や肩こりを引き起こす要因にもなるのです。
ドライアイの原因
ドライアイになってしまう原因のひとつは、パソコンやスマートフォンの長時間利用だと言われています。普段の利用時間を見直してできるだけ短くする、途中で端末から離れ、休憩を取ることなどを意識するようにしましょう。もし、仕事の都合などで利用時間を減らすことが難しい人は、意識してまばたきを多めにしてください。
乾燥した部屋もドライアイの原因のひとつです。冬場の部屋など、乾燥しやすい場所にいるときは、加湿器を使って適度に保湿された空間を維持するように心掛けてみてください。
ドライアイの対処法
ドライアイの対処法をいくつか紹介します。
・人工涙液をつける
「人工涙液」を使うのも良いでしょう。これは、読んで字のごとく、人間の涙の成分に似せて作られた点眼薬です。これを使うことによって、ドライアイを防いでくれます。ちなみに、人工涙液はコンタクトレンズの上からでも使用することができます。ただし、あくまでも医薬品ですから、使用上の注意を守り、使いすぎには注意をしましょう。
・目を癒す
目の周りを温めたり、目をつむるなどして、目を休ませることも重要です。レンジで蒸しタオルを作ったり、アイマスクを使ったりして、目に十分な休息時間を与えるようにします。タオルやアイマスクにお気に入りの香りを付けて使えば、リラックス効果も得られて一石二鳥です。睡眠時間をしっかりとることも忘れずに。
・目の周りの筋肉をストレッチする
目の周りの筋肉をストレッチすることも有効です。目の周りの筋肉がほぐれることでまばたきがしやすくなり、ドライアイの予防につながります。具体的な手順は以下のとおりです。ドライアイで目が痛くなったときに実施してみてください。
1.椅子に座ります。
2.首の後ろを伸ばすことを意識して、首を前に倒して30秒キープします。
ドライアイには目を潤すことが大切です。もちろん、これらの対策を行っても症状が改善されない場合は、必ず病院に行きましょう。