立ち仕事に腰痛はつきものだとよく言われます。ではなぜ、立って仕事をしていると腰が痛くなるのでしょう。そして、どうすればそれを防ぐことができるのでしょうか。今回は、立ち仕事で生じやすい腰痛の対策について解説します。
立ち仕事による腰痛の原因
立ち仕事で腰が痛くなる原因としてまず考えられるのが、筋肉疲労です。特に長時間の立ち姿勢では、背中側の腰からお尻にかけての筋肉に負担がかかります。中でも、お尻の外側にあたる中殿筋(ちゅうでんきん)に負荷がかかり続けると、血行が悪くなって栄養が行き届かなくなり、お尻と腰の境目あたりに「硬結」ができやすくなります。硬結とは、いわゆるコリのことです。これは、筋肉が凝り固まっている状態なので、腰の痛みやだるさ、重さ、ときにはしびれなどを生じさせる元凶となりかねません。
また筋肉のほかに、骨盤などの骨の状態が影響することもあります。立っているときの姿勢が悪いと骨盤に歪みが生じ、やはり腰痛の原因となります。骨盤が歪んでしまうと、ますます姿勢が悪くなってしまうという悪循環も起きやすいので、注意が必要です。
立ち仕事の休憩中にできる腰痛対策
立ち仕事の休憩中に以下のようなストレッチを行うことで、腰痛対策をすることができます。
●骨盤回し
1.つま先をまっすぐ前に向けて、腰に手をあてます。

2.視線はまっすぐ前を向いて、肩幅より若干狭いスタンスで立ち、右方向に腰を回します。これを30回行います。このとき、上半身は固定したままにするのがポイントです。
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3.左回りも腰を回します。これも30回行います。
●腰をそるストレッチ
1.腰に手をあてた状態でゆっくり息を吸います。

2.ゆっくり息を吐きながら、腰を支点にして上半身をゆっくり後ろに倒します。
倒した状態を5秒以上キープします。
立ち仕事が原因の腰痛を予防するには?
筋肉系の腰痛を予防するにはストレッチや、普段から適度な運動を行うことが効果的。また、骨盤の歪みを生じさせないようにするには、立ち方と姿勢に気をつけるべきです。カラダの左右どちらかに体重をかけすぎないようにすること、そして猫背や反り腰など、前後にカラダを曲げないようにすることにも注意してください。
さらに、自分の足に合わない靴を履いて仕事をすることも、骨盤の歪みやカラダのバランスを崩すことにつながってしまいます。靴の選択は慎重に行いましょう。骨盤の歪みを防ぐために、コルセットや骨盤ベルトを着用する人もいます。これも、きちんとカラダにフィットする製品を選び正しい付け方をすれば、骨盤を安定させることに役立つでしょう。
立ち仕事をしていて、何となく腰の調子が良くないかも……と感じている人は、ひどい腰痛に悩まされるようになる前に防止策について学び、対策をしておくことが大切です。腰の異変はまだ症状が軽いうちから、なるべく早めにケアすることを心掛けましょう。