デスクワークを中心とした仕事をしている人の悩みのひとつが肩こり。肩こりの原因として、筋肉疲労や筋肉が固まってしまうことが挙げられますが、筋力自体をアップさせることで肩こり解消が期待できます。今回は肩こりと筋肉の関係、効果的な筋肉の鍛え方をご紹介します。
肩こりと筋肉の関係とは?
肩こりには私達の頭が大きく関係しています。皆さんは、頭がどれくらいの重さなのかご存知でしょうか。個人差はありますが、頭の重さは体重の10~13%程度と言われます。
普段私達は何事もなく首を振ったり、頭を動かしたりしていますが、頭の重さは首や肩の筋肉で支えています。正しい姿勢で生活をしていれば頭の重さを肩で支えることができますが、姿勢が悪かったり長時間同じ姿勢で過ごしたりすることで、肩の筋肉にいつも以上の負荷がかかり、筋肉が疲れてしまったり固まったりして肩こりにつながると言われています。
肩こりの原因としてはほかにも冷えや血行不良などがあり、これらも筋肉と密接な関係があります。たとえば冷えによって血行が悪くなると、最終的には筋肉に影響して肩がこりやすくなります。
肩こりに関連する筋肉を鍛えるメリット
肩こりを解消するためには、肩や首周りの全体的な筋力アップが効果的です。腕の力を鍛えれば重い荷物を持っても疲れない……というメカニズムと同じで、肩こりに関連する筋肉を鍛えることで、頭の重さを容易に支えることができて肩こりが軽減されるはずです。
また筋肉を鍛えれば代謝が高くなり、その分血行も良くなります。すると、肩こりの原因のひとつである冷えや血行不良も改善されて肩こりが緩和されます。このほか、筋力がつくと無理な体勢を取ることも少なくなるので、自然に姿勢が良くなり肩こりだけでなく腰痛やストレートネックも軽減されると言われます。
肩こりが関係する筋肉とは?
肩こりが関係する筋肉は、頭の重さを支えている筋肉のことで、主には僧帽筋(そうぼうきん)と肩甲挙筋(けんこうきょきん)、三角筋があります。僧帽筋はカラダの外から見える筋肉で、後頭部から背中の上部にかけての大部分を占めます。
肩甲挙筋は首から肩甲骨にかけてつながっており、カラダの外からは見えないインナーマッスルで、三角筋は肩から腕を支える三角形の筋肉のことです。この3種類の筋肉で頭の重さの大部分を支えているため、これらの筋肉が筋肉痛や筋肉疲労を起こすことで肩こりになりやすいと言われています。
このほか、肩甲骨の棘上窩(きょくじょうか)にあって肩関節を安定させる棘上筋(きょくじょうきん)や棘下筋(きょくかきん)なども肩こりに関係しており、これらの筋肉を総合的に鍛えることが肩こり改善の近道だと言えるでしょう。
肩こり改善のために筋肉を鍛える、ほぐす方法
肩こりを改善するためには上述したように筋肉を鍛えるだけでなく、血行が悪くなり固まっている筋肉をほぐすことも大切です。
ウエイトトレーニングのひとつに「ラットプルダウン」と呼ばれる方法があります。上にあるバーを引っ張り下ろすような動作を行うことで、僧帽筋や肩甲拳筋にアプローチができます。また「ショルダーシュラッグ」と呼ばれるトレーニングは、両手にダンベルなどを持って肩を上げ下げする方法で、肩甲拳筋へ効果があるトレーニングです。
また、僧帽筋や肩甲拳筋などに効果的なストレッチ方法もあるためぜひ試してみてください。
●ラットプルダウン
1.まっすぐ立ち、両手を上にあげます。(タオルやゴムを使うと効果的です。)
2.そのままの状態で懸垂をするように両肘を曲げます。
このときに背中の後ろで肘と肘をできるだけ近づけることを意識しましょう。
●ショルダーシュラッグ
1.肩幅に足を広げます。
2.右手左手それぞれで鉄アレイや水の入ったペットボトルを持ちます。
3.肩を上げ下げします。
●筋トレと一緒に行いたい肩こり対策ストレッチ
1.片手の手のひら、肘を壁に当てます。
2.その状態を維持し、肩幅に足を広げます。
3.壁に手を当てている方向と逆方向に体をそらします。
(壁に当てている手の脇と胸あたりにある大胸筋を伸ばすことを意識します。)
4.これを30秒キープします。終わったら、反対も同様に行います。
肩こりは単に疲れが原因と思っている人も多いと思いますが、実は筋肉が密接に関係しています。肩こり改善のためにも、上記を参考に筋肉を鍛えたりほぐしたりしてみてください。