肩こりとは?
「肩がこった」と感じるとき、カラダにはどんなことが起きているのでしょうか。どういう状態を「肩こり」というのでしょうか。最初に確認しておきましょう。一般的に肩こりとは、肩や首などの血行が悪くなり、痛みを感じる状態をいいます。実は、肩こりは二足歩行をする人間ならではの症状だとされています。私たち人間が立っているとき一番上にあるのは頭です。ふだん意識することはありませんが、なんと人間の頭部の重さは3~7kgほどあるといわれており、重たいものを細い首と、首に続く肩の筋肉で支えているのです。さらに肩の筋肉は背中の筋肉と連携して、腕を動かすという働きをしなければならず、負担がかかる部位だといえます。
そこに、運動不足、姿勢の悪さ、冷え、ストレスなどさまざまな要因が加わると、肩周辺の筋肉が緊張状態にさらされ、疲労物質が溜まってしまいます。すると筋肉がかたくなってしまい、血行が悪くなると考えられます。この状態が続くことで、肩こりの症状があらわれるといわれています。
夏に肩こりが悪化する原因
夏に肩こりが悪化する原因は、ひとつではありません。夏ならではのライフスタイルも大きく関係しています。思い当たる節はないか、チェックしてみましょう。薄着で冷房にあたることによるカラダの冷え
暑い夏はどうしても薄着になりますが、オフィスや電車などの室内は冷房が効いています。特に、冷房の風が直接あたるような位置にいるときは要注意。寒い冬よりもカラダが冷えてしまうことも多いのです。カラダが冷えると血流が悪くなり、肩こりを引き起こしてしまうことも。汗をそのままにしておくことで起こるカラダの冷え
カラダを冷やすのは、冷房だけではありません。汗も原因になります。汗をかいたら、すぐに着替えたり拭いたりしましょう。汗で濡れた衣類を身につけていると、カラダはどんどん冷えてしまいます。暑さによるストレス
ストレスを感じるとカラダは緊張状態になり、血流が悪くなることが分かっています。猛暑、酷暑ともいわれる暑さは、カラダにとっても大きなストレスだといえるでしょう。冷たい飲み物の飲みすぎ
暑いと、どうしても冷たい飲み物が欲しくなります。たくさん汗をかく夏は充分に水分補給することが大切ですが、冷たい飲み物ばかりを飲んでいると、カラダの内側から冷えてしまいます。寒暖差による疲れ
夏は、室外と室内の温度差が大きくなります。暑いところと冷房で冷えた場所とを頻繁に出入りしていると、体温を調節する自律神経が乱れてしまうことも。自律神経の乱れは血流にも影響を及ぼし、肩こりを招くことがあります。食欲不振による栄養不足
暑いと、どうしても食欲が落ちてしまいます。食べないとカラダが必要とする栄養分を補給することができません。新陳代謝が落ち、血流も悪くなるという悪循環が起きます。強い日差しが招く片頭痛
片頭痛のはっきりとした原因は分かっていませんが、夏の暑さや強い日差しによっても起こるといわれています。さらに、片頭痛と肩こりには関連性のあることが、医学的に指摘されています。日差し、暑さが招く自律神経の乱れ
自律神経は、ちょっとした刺激で乱れてしまうことがあります。強い日差しや暑さも、カラダに必要以上の刺激を与え、自律神経が乱れる原因となってしまうことも。自律神経の乱れによって血流が悪くなり、肩がこってしまう人もいます。暑さを避けることによる運動不足
夏は、熱中症対策として運動を控えてしまう人もいます。しかし、運動不足は血行不良の原因でもあるのです。夏の肩こりの予防法
夏の肩こりの原因を少しでも減らせるように対策をしましょう。簡単に取り組める予防法を紹介します。汗はすぐ拭く
衣類が濡れてしまわないように、汗をかいたらすぐに拭く習慣をつけましょう。着替えられる環境にあるなら、着替えることが一番です。肩こりを予防するだけでなく、乾いた衣類を身につけることで快適に過ごすことができます。室内では羽織るものを用意しておく
カーディガンなど、羽織れるものを用意しておけば、冷房の風をシャットアウトすることができます。しわを気にせずに持ち歩けるストールも便利。室内や電車内で肩にかけることはもちろん、ひざにかけて下半身を寒さから守ることもできます。飲み物は常温で摂取する
暑い季節には冷たい飲み物が欲しくなりますが、カラダを冷やさないためにも水分摂取は常温を心掛けましょう。ぬるま湯でも良いので入浴をする
全身の血行を良くするためには、浴槽につかることが大切です。暑いとついシャワーですませてしまいがちですが、ぬるめの温度で構いませんので、しっかりと入浴するようにしましょう。栄養のある食べ物を摂取する
疲労回復に良いとされるビタミンB1、血行を促進するとされるビタミンE、血液や筋肉のもとになるタンパク質を中心に、栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。ビタミンB1を多く含む食材の代表は、豚肉です。ビタミンEならアボカド、良質なタンパク質なら大豆製品などがおすすめ。疲れをとって血流を良くするクエン酸を含む梅干しも積極的に食べると良いでしょう。汗で失われがちな塩分補給もできます。
ストレッチ、マッサージ、揉みほぐしを行う
ストレッチ、マッサージ、揉みほぐしなどで筋肉をほぐせば、血流が促進され、肩こりも軽減されることが期待できます。夏に悪化する肩こりの多くは、夏ならではのライフスタイルが原因となっていることも。羽織るものを用意する、冷たいものばかりを摂取しないなど、カラダを冷やさない対策を行いましょう。1日の最後はシャワーではなく、しっかりと浴槽につかれば、夏の疲れもとれるのではないでしょうか。カラダを冷やさないためのケアにぜひ取り組んでみてください。